STRにも新たなメンバーが参加されていますので、ここで録音機材についての基礎知識を書いておきます。
インターネットラジオで利用するための録音機材にはピンきりですが、リアルタイム放送ではないSTRなどの場合は簡易な機材でも制作が可能です。基本はフィールドレコーダーないしハンディーレコーダーと呼ばれる機材とPCがあれば可能ですが、ICレコーダーでも問題ありません。
今回はICレコーダーでの録音に関してご説明します。
1.低価格中国製ICレコーダーの場合
これは会議などを録音するために作られていますが、最近は中国製の安い機種も多く販売されています。基本が音声を録音するために作られており、インターネットラジオなどで利用するのは十分な音質での録音が出来ます。
ただしいくつか注意点があります。これは、いくつかの中国製ICレコーダーを使った経験からの注意点です。
1.PCM録音に対応していること
音声フォーマット(形式)に関しては、沢山の種類があり、その中でよく使われるのがMP3、WMA、PCMなどですが、一番多く使われているのがMP3形式です。STRも最終的にはMP3形式で配信されています。
そこでMP3で録音できれば問題ないと考えがちですが、中国製のレコーダーのMP3形式録音は確実に音質が劣化する傾向があり、PCMデーターとは随分差が出ます。(国産のレコーダーではそういった事はほとんどありません。)
また、WMA形式はWindowsでは標準音声ファイル形式でもありますが、MACでは再生出来ない場合が出てきます。このため、録音時に設定するのは控えたほうが良いでしょう。
それに対してPCMは無圧縮のデータでファイルデーター容量が大きくなりますが、音質は良いという事になります。
録音時に音質が悪ければどんなに加工しても良くはなりません。
2.機械は壊れるからMicroSDなどの外部メディアが使えたほうがいい。
まあ、これは当たり前。国産機でも故障は起こりますので、録音が終わったらすぐにPCにデータをコピーしてください。私が経験した故障ではUSB端子の不具合が発生、レコーダーを認識出来なくなりました、そういった事も考えてMicroSDカードなどが使える機種にしたほうが良いでしょう。
以上の様な観点からアマゾンで対応機種を探してみましょう。
2.ICレコーダー国産の場合
やはり、国産の機種を使ったほうが多機能で安心感はあります。MP3での録音でも音質的には問題ないと思います。(MP3で録音できるということはPCM録音よりも長時間録音することが可能です。)
2.ソニー SONY ステレオICレコーダー ICD-UX560F(¥ 10,598)
3.その他の注意点
これらICのレコーダーは、基本的に会話を録音するためのものですので、音楽などの録音には向かないかも知れません。大音量のライブなどではマイクの対音圧性が低いので飽和してしまい音が潰れる事となります。
そのため、外部マイクを使うという事も可能ですが、マイクに関してはコンデンサータイプを使うほうが良いことで、ファンタム電源に対応しているレコーダーでなくてはそのパフォーマンスを発揮出来ないでしょう。
そうなると、ICレコーダーでは役不足。その上のレベルの録音機材が必要です。ただ、インターネットラジオ程度の音質ならそこまでは要求されないと思います。
4.パソコンでの録音について
一般的にはパソコンで録音すればいいじゃないか?と考えがちですが、その場合、いくつかの問題があります。
- 録音中に別のソフトからの音が入ってしまう可能性がある
Facebookの通知音などが混入する可能性が出てきますのでこれは注意 - ノイズが多い
通常のマイク端子に挿して使う場合、ノイズが混入する可能性が高いです。その場合はUSB接続のオーディオインターフェースを利用することで回避出来ますがそれなりにお金もかかります。 - 大きな音が入った場合のリミッター・コンプレッサー機能がない
これが一番の問題かも知れません。音声録音時はにはコンプリミッターと呼ばれるような音量の調整機能が必要で、音量を平均化出来ないと聞きづらくなったり、音が潰れたりします。この機能はマイクの直後に入っていることが必要ですが、そういった機能が通常のパソコンでは十分ではありません。パソコンの場合のオートレベルの信頼性は低いです。
この様な問題がありパソコンでの録音には、専用のインターフェースを追加しないといけません。また、ソフトも必要ですので、総合的に考えると録音は録音専用機に任せたほうが便利だと言うことになります。リアルタイム放送の場合は、上記の問題からIO、ミキサー、マイクなどを用意したほうが良いでしょう。
また、STRの場合パソコンがない状態でインタビューなどをすることもありますので、この点でもハンディーレコーダーの方が使いやすいということになります。
5.iPhoneでの録音について
緊急時にはiPhoneでも十分に録音は可能ですが、その場合できれば外部マイクを使ったほうが音質は良いと思います。外部マイクを使わない場合は、iPhoneを片手で持って、マイク側を上にした状態(上下逆ですね)で、マイクを持っている感じで、自分がしゃべる場合は自分に向け、相手がしゃべる場合は相手に向けます。タッチノイズが入らないようにiPhoneを録音途中で持ち替えないように気をつけましょう。
録音時に電話などが入ると録音も切れてしまうので、その点は注意が必要ですね。
また録音ソフトはこれを使っています。
録音したデーターを取り出すためには基本的にはiTuneを使います。
Androidでも同様のアプリはあると思いますが、検証していません。